2011年3月11日。

東日本大震災が発生しました。

 

当時は、父も健在でした。

まさこは、足腰が弱くなった父を見守る生活をしていました。

 

幸いなことに、実家は震災で大きな被害を受けることはありませんでした。

 

震災からしばらく経った後、実家に帰ってみると

こんなリュックがありました。

(実際のリュックには「非常」とは書かれていませんでした。)

 

リュックの中には、いろいろなものが入っていました。

 

特に大事なのは

・権利証

・年金手帳

・通帳

・実印      など。

 

それ以外にもいろいろ入っていました。

持ち上げてみると、リュックはけっこうな重さがありました。

 

非常時に、こんな重いものを持っていけるはずがない。

 

そう思った私は、まさこに貸金庫を借りるよう提案しました。

当時、まさこに伝えたメリットはこんな感じでした。

 

いざというときに、身一つで逃げられる。

大事なものは、まとめて預けておくと安心。

貸金庫は、暗証番号などを共有すれば家族も利用できる。

 

まさこはすぐ了解してくれたので、一緒に銀行へ行き、

貸金庫の契約をしました。

 

3年後。

まさこは、親知らずを抜くため一泊入院することになりました。

私が付添し、手術自体は問題なく終えることができました。

 

そして自宅に戻ってきて。

まさこはどーんと落ち込んでいました。

 

理由を聞くと、「棚の上に置いていたお金が無くなった」と。

 

実は、そのお金は入院前に銀行に預けていました。

私と一緒に銀行に行っていたのに、

まさこは入院のバタバタですっかり忘れてしまったようです。

 

入院前に一緒に銀行に行ったこと、

棚の上のお金を銀行に預けたこと、

通帳は貸金庫の中に保管されていることを話すと、

まさこはやっと思い出した様子でした。

 

しっかり者のまさこでしたが、

年齢のせいなのか、入院のバタバタがあったせいなのか

大事なことをすっかり忘れていたことには

私も驚きました。

 

このときに、貸金庫を借りてよかった、と

二人で実感した覚えがあります。

 

そして。

2017年。まさこが入院しました。

その後1年間、家を空けることになりました。

 

大事なものはすべて貸金庫に保管しておいたので、

まさこも私も、不安なく過ごすことができました。

 

貸金庫を借りておくと、

通帳やキャッシュカードなど大事なものを保管できますし

「大事なものは貸金庫にある」と安心を共有することもできます。

 

毎日のように、●●詐欺のニュースを耳にする時代。

手元に通帳やキャッシュカードが無いだけでも、

詐欺の被害にあう確率はぐっと減るのではないでしょうか。

 

貸金庫を借りるには、地方でも1年あたり17,000円ほどかかります。

審査があったり、保証人が必要だったり、

条件は銀行によっていろいろ異なるようです。

 

最初の手続きはちょっと面倒ですし、多少の維持費はかかりますが

何より安心なのと、メリットがあるのは確かです。

 

貸金庫を借りるためには、どのような手続きが必要なのか

私が見聞きしたことは、あらためてご紹介したいと思います。