12月1日土曜日。

15時過ぎに、まさこはおむつチェックの順番が回ってきました。

おむつが汚れていなければ、あっという間に終わる作業です。

 

廊下に出て、しばらく掲示物を眺めていると

看護師さんが「フォアグラ」と言いながら通り過ぎて行きました。

 

看護師さんはまさこの病室へ入って行きます。

病室をのぞいてみると、まさこのベッドだけが

カーテンで隠されています。

 

「フォアグラ」とはまさこのことだったようです。

 

 

数分後、処置を終えた看護師さんが病室を出て行きました。

手には透明なビニール袋を持っています。

 

ビニール袋にはおむつ数枚が入っていました。

そして拭き取った脱脂綿も。

 

脱脂綿には、ドス黒い血の塊がついていました。

 

あぁ、あれが「フォアグラ」・・・と思いつつ

あれ?フォアグラって、いわゆる脂肪肝。

赤い色じゃないよね?

 

「フォアグラ」って、業界用語?

などあれこれ考えていましたが、単なる聞き間違いでした。

 

「フォアグラ」ではなくて、「コアグラ」でした。

コアグラとは、固まった血液のことを指すようです。

 

脱脂綿についていた血の塊が、まさにそれです。

 

その後、看護師さんがまさこの体温、血中酸素濃度をはかり

今まで出血したことがなかったか聞いてきました。

 

今まで出血は無かったこと、

出血ではないが訪問看護師さんが気にしていた●●のこと、

10月末にこの病院の婦人科で検査をしたこと、

婦人科の検査は問題なかったこと、をお伝えしました。

 

週開けに、また婦人科の検査をするかもしれません。

「コアグラ」は心配ですが、

退院してからではなく、入院中で良かった。

そう思うと、不安よりどこか安心な気持ちになりました。