10月1日、月曜日。

訪問看護師さんに支えてもらいながら、まさこはベッドに腰かけます。

右足がなかなか伸びず、床につかない・・・と思っているところに

いとこが来ました。

 

2日ほど前、まさこの顔を見に来てくれたいとこに

「キノコ食べる?」と聞かれ

「食べる!欲しい!!」と返事していたら

さっそく持ってきてくれたのでした。

お花のおすそ分けに感激。気にかけてもらえることに感謝しています。

 

袋には、大きなキノコがたくさん!!

キノコには土がついていて、まさに採れたて。

スーパーで売っているキノコとはだいぶ様子が違います・・・

 

看護師さんが帰った後、まさこにキノコを見せてみました。

キノコの名前や調理法を教えてもらおうと思いましたが、

まさこは眠そうな顔で「わからない」と言います。

 

まさこは毎年たくさんのキノコ料理を作っていましたが

すっかり忘れてしまったのでしょうか。

 

 

キノコは食べきれないほどたくさんあるので、

午後、ご近所のHさん宅に行きました。

 

Hさんはまさこの親友で、私も仲良くさせてもらっています。

キノコをおすそ分けしつつ、いろいろ教えてもらうことにしました。

ご近所のHさんから採れたての野菜をいただきました。

 

Hさんにキノコを見てもらっていると、Mさんが通りかかりました。

Mさんはキノコに詳しい方で、一目見るなり

「これは香茸(コウタケ)!ご馳走だよ!!」とご機嫌です。

 

乾燥させると味が落ちる、

採れたてを炊き込みご飯にするのが一番おいしい、と

教えていただき、Mさんにもおすそ分けしました。

 

そして、Hさんからきゅうりやいんげんをいただき帰ってきました。

(写真の右側が香茸。左側はHさんからもらいました。)

 

実は・・・

香茸(コウタケ)の炊き込みご飯は、子どもの頃に何度も食べていました。

父が山菜やキノコを採るのが好きだったので、

毎年、秋になると何度も何度も食べていました。

 

子どもの私には、香茸(コウタケ)の強い香りと黒い色が苦手で

当時は嫌で嫌でたまりませんでした。

 

その後、香茸(コウタケ)が高級品であることを知りましたが

父がキノコを採りに行かなくなくなってから

食べる機会がなく、何年も過ぎていました。

 

家に帰ってきて、Mさんの話をまさこに伝えると

いろいろと思い出したようでした。

 

そして。

炊き込みご飯は、香りも見た目もあの頃と同じように

できあがりました。

 

炊きあがったご飯を仏壇にお供えした後、

まさこのそばでご飯をいただきました。

 

久しぶりに食べたその味。

子どもの頃は嫌でたまらなかった香りも味も、

大人になった今では「たまらなくいい!」。

 

大人にならないとその良さはわからないかもしれません。