1月8日火曜日。
いつもの時間に病室に行くと、まさこは右腕を上げていました。
目はパッチリと開けています。
今日は調子がいいかも。
その予感は的中しました。
5分後に嚥下(エンゲ)・口腔リハビリの先生が来ました。
「あなたはどんな仕事をしている人なの?」
突然まさこが質問します。
「発生の練習とか、飲込みの練習とか、
リハビリをしています」と答える先生に
「先生(医師)と同じようなことをしているの?」と
まさこは質問を続けます。
話している途中で看護師さんが来ました。
終わった点滴を片づけながら、まさこの話を聞いています。
「私は先生(医師)とは違います。」という返事を聞いて
「私の先生(主治医)は誰ですか?」とたずねるまさこ。
看護師さんは話し続けるまさこに驚きながら、
「(主治医は)●●先生ですよ。」と教えてくれます。
「眼鏡をかけた先生ですよ、わかりますか?」と言われても
まさこは主治医の顔を思い出せない様子・・・
「今日も歌を歌いましょうか」と、先生が言うと
看護師さんは「聴きたい!」とワクワクしています。
先生が「めーだーかーの学校は~♪」と歌い出だすと
まさこは急に黙ってしまいまいた。
今度は私が「あーかーい~♪」と歌いますが
やはりまさこは黙っています。
「私がいると恥ずかしいかしら?帰りますね」と
看護師さんが帰った後も、まさこは黙ったまま・・・
結局、今日は歌わないまま、リハビリ終了。
リハビリが終わった後で
「さっき歌わなかったのは恥ずかしかったから?」と
聞いてみました。
まさこは「恥ずかしかった」と答えます。
私と2人になると、まさこは何曲か歌ってくれました。
まさこが「恥ずかしい」と言うのは
在宅介護が始まって以来、初めてかも。
そういう感情がよみがえってきたことに
嬉しくてたまらなくなりました。