9月18日水曜日。

まさこの四十九日から1週間経過したこの日、

久しぶりにお出かけしました。

 

まさこが旅立った直後から、

「四十九日が過ぎるまでは何もしない」と決めていたので

遠くへ出かけたり

まさこの物を処分したりせず過ごしてきました。

 

家を出たのは18時30分頃。

実家に帰ってきてから、夕方以降に

外出するのは初めてです。

 

町のお店は、ほとんどが閉まっていました。

車もまばらで人影もありません。

 

私が生まれ育った頃より

過疎が進んでいるのはわかっているつもりでしたが

周りが暗くなると、町はよりいっそう

寂しい感じに見えました。

 

19時過ぎのバスに乗りました。

乗客は私一人だけ。

 

運転手さんは、

「次は●●●です」

「お降りの方はお知らせください」など

いつものようにアナウンスしてくれます。

 

運転手さんの声を聞いているうちに

涙が溢れてきました。

 

この路線バスは、入院したまさこに面会するため

何十回も利用したバスです。

 

最後にバスに乗ったのは7月24日。

まさこが旅立つ前日でした。

 

この日は昼過ぎに看護師さんから電話があり

私は不安な気持ちを抱きつつ

バスに乗って病院へ向かっていました。

 

あの日から2か月近くも経っていて

心はすっかり落ち着いているはずなのに

涙は止まりません。

 

バスに揺られ、運転手さんのアナウンスを聞いていると

次々と思い出がよみがえってきます。

 

よみがえってくる思い出は、

今となっては楽しかったことばかりです。

 

病院に通うのは、楽なことではなかったけれど

まさこは楽しい思い出をたくさん残してくれました。