12月19日(水)10時40分頃。
救急車で病院に到着してから20分足らずで
まさこは病室へ移動しました。
その後、私は入院の手続きをしたり書類を書いたり。
まさこは採血や心電図検査などを終え、
時間はお昼近くになりました。
看護師さんが病室に来て、主治医は外来の対応をしており
お話できるのはもう少し時間がかかる、と説明を受けました。
午後1時40分頃。
主治医が病室に来て、先ほどの血液検査の結果を聞きました。
白血球の数値は正常であること、
ヘモグロビンの数値は月曜日の検査よりさらに減少していること、
血小板の数値は先月よりさらに減少しており、減り方が早い、との
説明を受けました。
輸血のみなら数日で退院可能、
血小板の減少について検査するならもう少し入院になりそう、とも。
まずは明日実施する輸血について詳しい説明を受けることにしました。
10分後。
主治医が輸血に関する説明書を持ってきました。
今回の輸血は赤血球を2単位で、
副作用と感染症の危険性はどんなものか説明を受けました。
説明書は同意書も兼ねていました。
ここでは、説明書にどんなことが書いてあったか
ご紹介したいと思います。
輸血用血液製剤(特定生物由来製品)に関する説明・同意書
書類の冒頭部分にはこんなことが書いてありました。
今回、治療に際しまして、血液製剤の使用が必要になる可能性があります。
そこで輸血と血液製剤の必要性と危険性について説明します。
不安や疑問などがありましたら、担当医にご相談ください。
なお、緊急の場合には、この説明が輸血の後になる場合もありますので
ご了承ください。
1.輸血の種類と必要性
照射赤血球液LR(日赤) 使用予定:約2単位
Ir.-RBC-LR
赤血球は酸素を全身に運ぶために必要で赤血球が不足すると
心臓への負担など、全身への影響が現れ病状を悪化させます。
新鮮凍結血漿LR(日赤) 使用予定:約 単位
FFP-LR
新鮮凍結血漿の輸血は主に凝固因子補充のために実施されます。
凝固因子が不足すると出血が止まりにくくなります。
照射濃厚血小板(日赤) 使用予定:約 単位
出血したときに傷口をふさいだり、血管壁を補強する働きが
あります。血小板が不足すると、出血が止まりにくくなります。
2.起こりうる副作用、感染症の危険性について
おもな副作用発生率(約10本輸血されたとして)
①輸血感染症:肝炎(主にC型)0.1~0.2% HIV(エイズ):0.00005%
②溶血反応:軽症ー0.1% 重症ー0.01%
③アレルギー反応(蕁麻疹、発熱など):1~5%
④GVHD(輸血中の白血球が受血者を攻撃すること):0%
(2000年以降、血液に放射線照射するようになったため)
輸血後感染症については、検査技術の向上により年々安全性は高くなっています。
しかし、危険性をゼロにすることはできませんし、まだ検査ができない病原体に
感染する可能性もあります。
GVHDについて当院では、予防のために自己血と新鮮凍結血漿を除く全ての
血液に放射線を照射したものを輸血しており、今のところ発症はありません。
蕁麻疹や発熱などの副作用はまれなものではありませんので、何か異常を感じ
られた場合には、担当医、看護師にできるだけ早く連絡してください。
(日本赤十字社では1999年~全輸血用血液にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、
エイズウイルスの核酸増幅検査NATの技術も感度も上がり、厳しく陽性血は出庫前
には廃棄されるようになったため、年々、安全性が高くなったといわれていますが、
この高感度の検査もすりぬける可能性はあります。)
3.輸血に関する検査
安全な輸血を行うために、輸血前に血液型、赤血球に対する抗体の保有があるかどうか
をみる不規則抗体検査、輸血血液との相性を見る交差適合試験などの検査を行います。
また、輸血による合併症・副作用の有無を確認するために、輸血前と輸血3か月後に、
B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・エイズウイルスの血液検査を受ける必要が
あります(保険適用がされます。)。この検査を実施しておくと、万が一、上記の
ウイルスに感染した場合、生物由来製品感染等被害救済制度の救済を受けることが
できます。