はじめに

 

これは「過去の日記」です。こんなことを書いていました。

【過去の日記】こんなことを書いていました。

 

2017年11月10日「干支」

 

病室に入ると、まさこは寝ていました。

声をかけるとすぐに目を開けたけれど、
ややぼんやりした感じ。

まさこの脳から、管を通って出た髄液は
昨日よりも色が薄くなったように見えました。

私たちの名前は思い出してもらえませんでしたが、
まさこは両親の名前をすぐに答えます。

母はどんな人だったかたずねると
ぼーっとした人だったと。

父については
自分にはよくしてくれたが
大した男ではなかったと。

まさこの干支についてたずねると
すぐに答えることができました。

まさこの干支の次は?とたずねると
やはり答えは出ませんでした。

冷凍庫にあったニシンがいつのものかたずねると
去年のだと答えます。

処分していいかたずねると
いい、という返事。

残っていたアイスを食べるよ、と言うと
なんで食べるの?と。

まさこが気に入っているアイスなので
食べられるのはイヤなのかもしれません。

面会者用のガウンを着ている私たちを見て、
なんでそんな格好してるの?と聞くまさこ。

兄の説明を理解できたかわかりませんが、
まさこは私たちのことが気になる余裕が出てきたかもしれません。

まさこは、自分がどこにいるのか理解できていないようで、
看護師さんには転院前の病院名を言っているようでした。

まさこの体は小さくなったけれど、
ミトンをしたまま手を動かします。

リハビリが始まったら
まさこは今度は頑張ってくれるだろう。
そんな期待が少しずつ出てきました。