久しぶりに検診を受けました。

 

前回の検診は2017年12月。

 

その年の10月末、母まさこは頭部の手術を受けていました。

 

まさこの術後の経過を見届け、私は東京へ戻り

検診を受けたのが12月。

 

その後の2年間は、検診を受けないままになっていました。

 

町から検診案内が届いたのは6月。

 

当初は、隣の市の大きな病院で検診を受けようと思っていました。

 

が。

 

コロナ禍では隣の市への移動も気が引けてしまい、

近くの病院で受けることに。

 

その病院は、まさこが手術前に入院していたところ。

 

病院に行くのはその時以来なので、3年ぶりになります。

 

院内は思ったよりも外来の患者さんがおらず、

あまり混んでいませんでした。

 

その日検診を受けたのは私だけで、

医師の診察も含め1時間もかからずに終了しました。

 

検診を終えてホッとしながら、自販機コーナーに向かいました。

 

そこでふと、足が止まりました。

 

私は自販機の場所がわからなくなっていました。

 

3年前、私はこの病院でまさこに付き添っていたのに

自販機の場所をすっかり忘れていました。

 

院内で迷う自分に動揺しつつ、角を曲がると

見慣れた光景が目に入ってきました。

 

自販機コーナーの手前にある売店です。

 

小さな売店はあのときのまま。

 

売店に入ると、グッとくるものがありました。

 

自販機コーナーの反対側には、町の美術館が所有する絵が

3枚飾ってあります。

 

絵は3枚すべて、あの頃とは変わっていました。

 

あの頃、まさこは介護老人保健施設への入所を予定していて

リハビリをしながら体調が安定するのを待っていました。

 

まさこは車いすに乗せてもらって

リハビリの先生と一緒に3枚の絵を見ながら

あれこれ楽しくおしゃべりして過ごした…

 

まさこはここに入院していたのだ、と思うと

再びグッときて涙がこみあげてきました。

 

が。

 

涙が流れることはありませんでした。

 

一年前なら、涙があふれていたでしょう。

涙をこぼしながら院内を歩いていたでしょう。

 

今は、歩を進めるごとに涙が引いていきます。

 

それでも、私はなんだか落ち着かなくて

足早に病院を後にしました。

 

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