7月15日の朝。
6時に痰の吸引を終え、まさこに「おはよう」と声をかけると
「おはよう」という返事がありました。
昨日は37.5℃~37.9℃の熱があり心配でしたが、
今朝は36.9℃になりほっと一安心しました。
朝の痰吸引後にまさこが返事をする日は、調子が良いことが多く
今日はいろいろお話できるかも。
そう思うとわくわく楽しくなりました。
窓を開けて、まさこに庭を見せたり、
訪問カットのこと、
近所の家が売却されたこと、
まさこがもう一度見たいと言っていた映画のことなど
朝からいろいろお話をしました。
8時15分。
ヘルパーさんが来ました。
今日のヘルパーさんは、事業所の副所長も兼務している方です。
まさこの顔を見てすぐに「熱がありそうな顔をしている」と。
朝6時には熱が無かったし、脇の下あたりを触っても熱くないので
「本当かな・・・?」と思っていると、熱は38.3℃ありました。
おむつチェックや今後のヘルパーさんの訪問時間などの相談後、
再度熱を測ってみると38.6℃になっていました。
でも、私の体温計で測ると37.5℃・・・
8時45分。
ヘルパーさんが帰った後、
体温計を変えたり左右両方で熱を測ってみたら38.4℃に。
まさこは両手がガタガタ震え、上半身も震えています。
あぁ、この状態はもっと熱が出るのだろう・・・
そう思っているうちに、あっという間に9時になりました。
まさこに座薬を入れ、痰を吸引。
まさこは目を開いているものの、声をかけても返事は聞こえず・・・
顔と上腕部がどんどん熱くなるのを感じ、氷枕をしました。
9時30分。熱は39.3℃になりました。
先ほどより震えは小さくなったものの、心配なので
診療所へ電話をしました。
退院当日に来てくださった看護師さんが電話に出ました。
30分位で到着するそれまでの間に、
脇の下にガーゼに包んだ保冷剤を挟むようアドバイスを受けました。
そして。
看護師さんが測った熱は39℃。
血圧の異状はなかったものの、血液中の酸素濃度は低め。
以前、私が「高熱が出たら病院で治療を受けたい」と訪問看護師さんに
言っていたことはきちんと伝わっていて、
その方向で確認します、とのお返事が。
その後、診療所の主治医から入院指示をもらい
以前入院していた病院にベッドの空きを確認。入院予約をし、
救急車の手配もしていただきました。
看護師さんが手配を進める中、
私は付添を視野に入れて荷物をまとめました。
痰吸引の時間、体温や尿の量を記録していたカレンダーも荷物の中へ。
カレンダーは、訪問看護師さんから
記録用に便利と勧められて毎日記録していたものです。
少し動揺しながら荷物をまとめているときに、
「(私が)救急車に乗るまでそばにいます」とか
「ケアマネージャーに連絡して、午後のヘルパーさんをキャンセルしてもらいます」と
看護師さんに言われてどれだけ心強かったか。
そして、あっという間に救急車が到着。
見送る看護師さんに一礼し、まさこと一緒に救急車に乗りました。
救急車の中で、まさこの熱は38.4℃になっていましたが
血圧は「80-49」とだいぶ低くなっていました。
「(まさこと)最後に話したのはいつですか」と聞かれ
今朝、つい先ほどまで話をしていたことを伝えました。
20分ほどで病院へ。
医師に昨日からの経緯を伝えるとまさこはレントゲン室へ。
ここで、兄にまさこが入院したことをメールで連絡しました。
12時。
まさこがレントゲン撮影を終えて帰ってきました。
医師に呼ばれて救急室へ行き、「誤嚥性肺炎」の疑いがあると
説明を受けました。
看護師さんが処置を進める中、許可をいただいて
目を開いているまさこに「わかる?」と声をかけると
「わかる」という返事が返ってきました。
まさこが返事する様子を見て、
先生も看護師さんも安堵しているような感じがしました。
まさこは熱が36℃台になっていることを教えていただき、
さっきの熱には驚いたこと、
熱は下がったこと、
今は病院だから安心なことなど
まさこにいろいろ伝えました。
そして病室へ。
まさこはずっと目を開けていて、何やらお話しています。
声が小さくもごもごしているのでほとんど聞き取れませんでしたが
熱が下がって元気になっているのは嬉しくなりました。
まさこはほとんど握力の無い手で、私の腕をつかんでいます。
実は、今朝、「朝8時15分にヘルパーさんを頼むのを止めようかな」と
思っていました。
約1週間、朝8時15分と午後にお願いしていましたが、
自分の体にじわじわ疲れがたまっていくのを感じ
朝にヘルパーさんをお迎えするのが少し辛くなっていました。
でも。
今朝は、ヘルパーさんが来てくれなければまさこの発熱に気づかなかった。
そして。
看護師さんがいなかったら病院の手配や救急車の手配など
自分ひとりでは対応できなかった。
何よりも、発熱で一番つらかったのはまさこ自身です。
私は、まさこのそばにいることしかできませんでした。
まさこも私も、皆さんにお世話になっていて
皆さんに助けてもらっている。
今日ほど痛感した日はありませんでした。