まさこは、日記を書く習慣はありませんでしたが

大事なことはノートに書き記していました。

 

常に使っていたノートは以下の3冊です。

①血圧や飲んだ薬を記録

②畑の作業内容を記録

③電話番号や住所を記録

 

3つめの、電話番号や住所を記録したノートは

書いてあったのは最初の10ページほどで、

ほとんどが白紙でした。

 

ノートの後半部分は、父の手続きに関して

私がいろいろと書き込んでいます。

 

私は、父が旅立つ前と、旅立った後、

それぞれの時期にやるべきことを記録していました。

 

当時、私の生活拠点は東京だったので

実家に滞在する時間は限られていました。

 

記録を見ると、今できることはどんどん進めよう

としている意気込みを感じます。

 

父の葬儀は木曜日に行いました。

翌日の午前中、私は父が使っていたベッドのレンタル業者へ

引き上げ依頼の連絡をしています。

 

翌々日(土曜日)には、まさこと2人で

父が使っていた肌着類を端切れ用の箱に詰めました。

 

週明けには、レンタルベッドを引き上げてもらいつつ

生命保険会社に電話したり、

郵便局や銀行に行ったりして

各種手続きに必要な書類を確認しています。

 

その翌日(火曜日)には、父の入院費を支払ったり

役所、NTT、電力会社などに電話して

名義変更や引き落とし口座変更の手続きを進めたりしています。

 

そして、まさこと兄への依頼事項をノートに書き記して

私は東京に戻りました。

 

父の葬儀後、6日間。

上記の手続きなどで、まさこと私は慌ただしく過ごしました。

 

実家を離れると、私はあっという間に東京の日常に戻り

父との別れは遠い過去のような感覚になりました。

 

葬儀後の忙しさと、実家から離れたことで

私は父との別れに対して

悲しみや辛さをあまり感じなかったのかもしれません。

 

でも。

 

まさこは、父が旅立った後

ずっと二人一緒に暮らしてきた空間で

一人で過ごすことになった・・・

 

旅立った父に対して「悔いはない」と

きっぱり言っていたまさこでしたが、

一人で過ごすことは心細かったに違いありません。

 

今、まさこが居なくなった家の中は

時が止まったように静まり返っています。

 

まさこは一人になった時、

どんな気持ちで過ごしていたのだろう・・・と

思いは募るばかりです。