2年前の今日、私は故郷に戻りました。

 

前日は、引っ越し作業でクタクタになっていましたが

実家の最寄駅に着いた頃には疲れが吹き飛んでいました。

 

それは、故郷に着いて一安心したせいもあるでしょうし

まだまだ気が張っていたせいもあったでしょう。

 

当時は、介護休暇で会社を休んでいた兄が

毎日病院へ行き、まさこに面会していました。

 

まさこは2月に胃ろうをした後、少しずつ体重が増え

4月には顔がふっくらしてきていました。

 

寝ていることも多かったけれど、

私がまさこの服を着て面会に行くと

「その色いいね」と手を伸ばしてくるような

まさこらしい一面も残っていました。

 

2年前の今日、最寄駅に着いたのは朝早い時間でした。

 

私は、まさこのいる病院には行かず

まっすぐ自宅へ向かいました。

 

引越し荷物が届くのは翌日だけれど、

今のうちにできることをやっておきたかったのです。

 

病院には、在宅介護をすることと

私の引っ越し時期はすでに伝えていたので

在宅介護に向けたレクチャーはすぐに始まるだろう、

そう思っていました。

 

前日まで住んでいた家の火災保険を解約したり

まさこ名義で借りていた貸金庫に出向いたり。

 

貸金庫の仕様が「昨日から変更しました」

「再契約が必要で、それまで利用できません」という

驚きの展開があり、想像以上に充実した一日となりました。

 

そして。

 

日付が変わる前、私は自分の思いを書きとめていました。

 

この日から、介護に関する記録がスタートしています。

 

以下に、わたしが2年前に書きとめていた思いをご紹介します。

 

毎日、小さな幸せを見つけます

 

2018年5月22日(火)23時30分

 

在宅介護を決意してから2か月半。

 

戻ってきた故郷の駅は、見慣れているとはいえ

やはり閑散としています。

 

駅前のバスロータリーには、路線バスが次々と。

ふと目に入ったのが、路線バスの電光掲示。

 

「回送」と大きく表示されたのはよく見るけれど、

目に入った文字は

すみません 回送中です

 

冒頭に「すみません」の一言があるだけで

こんなにも癒されるのですね。

 

ほっこりしつつ思ったことは、

あぁ、こういう小さな幸せを毎日感じていきたい

ということ。

 

無事に故郷に戻ったことも、

朝から快晴のお天気に恵まれたことも、

戻った途端に見たバスの電光メッセージも、

 

いろんなことに幸せを感じました。

 

これから始まるであろう介護の生活は

大変なこと、辛いこと、困難なこと、我慢すること、

いろいろあると思います。

 

そんな中でも、きっと、プラスの気持ちになれる瞬間はあるはず。