コロナ禍のいま、自身の行動範囲はかなり狭くなりました。
外出先はスーパーがメインで、
ほとんどは自宅か敷地内で過ごす。
そんな生活が間もなく1年になります。
自宅の2軒先には、母まさこが野菜を作っていた畑があり
まさこを介護していた頃も、少しずつ畑で作業していました。
雑草を抜いたり、土を耕したりするのは初めての経験で
面倒というより、むしろ楽しい時間でした。
それは30分とか1時間に限られた時間でしたが、
作業に集中することで「無」になれる、貴重なひとときでした。
午後にはお散歩する方もいて、
畑にいる私にいろんな方が声をかけてくれました。
ほとんどの方はご近所にお住まいで、
私を「まさこの娘」とご存知なのでしょう。
名前を名乗ってくださる方はごく一部。
何度もお話してお顔も覚えているのに、
いまだに名前がわからない方が何人もいます。
それでも、少しでもお話するのは楽しいもので
そのおかげで、介護中は気持ちがリフレッシュされました。
そして。
この自治体では、間もなく選挙が行われる予定で
立候補者のチラシや名刺がポストに届くようになりました。
玄関先で挨拶が聞こえることもありますが
いつもカギをかけているので、応対せずにいます。
ある日の買い物帰り、
私は自転車を押しながら上り坂を歩いていました。
2人で歩いている男性とすれ違う際に
「こんど選挙に出る●●●です」と声をかけられました。
立候補する方から名刺を受け取ると
もう一人の方が「さっきお宅に行ってきたところなんです」と。
「そうでしたかー」と返事しつつ、
確かに、さっき玄関先で挨拶する声が聞こえたよね…
あぁ、この方は私がどこの誰かご存知なのね。
(私はあなたを知らないけど)
と、ちょっと複雑な思いがしました。
ふだん、私の移動手段は自転車なので
すれ違う方は「知らない人だけど」とりあえず挨拶しています。
「知らない人」と思っているのは私だけなのかな。
そういえば、私が実家に戻って介護していることを
いつの間にかお寺の住職も知っていたのを思い出しました。
周りはけっこう知っている。
知らないと思っているのは自分だけ…?
これって田舎あるあるなのかもしれませんね。