2年前の今日、母まさこは旅立ちました。
あれからもう2年。
今朝、夢にまさこが出てきたけれど
私が一方的に話すだけで、まさこは無言のままでした。
まさこの夢を見るのはだいぶ少なくなりました。
気配だけで、まさこの姿が見えなかったり
姿は見えても、まさこは無言だったり
目が覚めるとどんな夢だったか忘れてしまったり…
そんなことが増えてきました。
まさこの三回忌は、先月、お寺で行いました。
5月の連休明けに、兄がお寺に伺い
住職と三回忌の日程を打ち合わせをしました。
その日、兄のスマホには「4年前の今日」
という写真が表示されました。
スマホには「思い出」機能がついていて、
1年前とか2年前の同じ日に撮った写真を表示してくれます。
兄のスマホにはまさこの写真が表示されました。
それは、兄とまさこが最後に出かけたときの
写真でした。
三回忌の打ち合わせ日に「最後のお出かけ」写真が表示され
それは単なる偶然かもしれませんが、
兄は感慨深そうにスマホを見つめていました。
写真といえば、昨年のこと。
昨年5月、デジカメが壊れてしまい
前に使っていた古いデジカメで急場をしのごうとしたその時。
古いデジカメ本体に、父の三回忌の写真が残っていました。
お寺の本堂に、兄とまさこが座っています。
写真データの日付は2013年8月6日。
この写真を見つけたときは思わず声を上げてしまいました。
兄の話によると、三回忌の直後に土砂降りになり
私たちはしばらく本堂で過ごしたとのこと。
三回忌を終えると、私はさっさと東京に帰ったそうで
不思議なことに、私はこの時の記憶が一つも残っていないんです。
そんな私ですが、この写真には
しばらくじーーーーっと見入ってしまいました。
三回忌は梅雨入り後でしたが、
当日は朝からお天気がよく、汗ばむほどでした。
まさこは晴れ女でしたから
やっぱりね、と感心するほどのお天気でした。
法要を無事に終え、お墓参りを済ませると
なんだか心が軽くなったような気がしました。
それは兄も同じだったようで、
「終わったー」という兄の言葉に
私は大きくうなずき、晴れ晴れした気持ちになりました。
そして、今日。
「(まさこが旅立ったのは)何時頃だっけ?」という兄。
兄はその場にいなかったので
記憶が薄れていってるのでしょうね。
それは私も同じ。
まさこと一緒に過ごした空間に
いま、まさこがいないのが当たり前になっています。
ふとした瞬間に思い出すことはあるけれど
日々の暮らしは「私」の暮らしになっています。
穏やかに、静かに時間が流れていく環境は
数年前の私には想像できなかったことです。
故郷に戻ってこれたのは母まさこのおかげ。
心地よく過ごせる暮らしに感謝する日々です。